OEMは儲かる?「売れない」原因は作った後にある
OEMで作った商品が儲かるかは、商品そのものより販売設計で決まります。売れない典型4つ、損益の式、作る前に決める4項目を、企画会社の立場で整理します。

「儲かるか」は商品ではなく販売設計で決まります
「プロテインOEMは儲かるのか」「化粧品OEMは売れないと聞いた」「サプリOEMは儲からないのでは」。商材は違っても、問いは同じです。
結論から言うと、儲かるかどうかは商品の良し悪しだけでは決まりません。誰に、どこで、いくらで売り、どう買い続けてもらうか。この販売設計が作る前に決まっているかどうかで、結果に差がつきます。
お客様から発注を受け、私たちが工場へ製造を委託します。工場は商品を作る専門家ですが、売る仕組みまでは担いません。
儲からない典型は4つあります
売れずに在庫が残る案件には共通した流れがあります。私たちは典型を4つに分けて考えます。
典型1: 作ってから売り方を考える
まず挙げられるのは、商品が完成してから販路や訴求を考え始めるケースです。OEMの見積に載るのは、主に商品の製造にかかる費用です。売るための費用や手間は、見積のどこにも載っていません。
完成後に売り方を考えると、商品の仕様と販路が合わないことがあります。たとえば、定期購入で売りたいのに、容量が1回分しかない場合です。ECで売りたいのに、送料に対して単価が低すぎる場合もあります。こうしたずれは、作る前に設計しておけば防げます。
典型2: 原価率だけで判断する
「原価率が低いから儲かる」という判断も、失敗につながりやすい考え方です。原価率は製造費と売価の比率にすぎません。売るためにかかる広告費、送料、決済手数料、保管費は含まれていません。
原価率が低い商品でも、集客に費用がかかれば利益は残りません。逆に原価率が高くても、リピートが続けば利益は積み上がります。原価率は判断材料の1つで、答えではありません。
典型3: 販路が1つしかない
販路を1つに絞ると、その販路の条件に利益が左右されます。モールの手数料が変わる、SNSの表示が減る、卸先の発注が止まる、といった変化があります。1つの販路に頼ると、こうした変化を吸収できません。
最初から複数の販路を持つ必要はありません。ただし、最初の販路で得た顧客をどこへ導くかは、先に決めておく必要があります。
典型4: 表示・表現で止まる
商品が完成した後、パッケージやLPの表現で止まるケースもあります。ペットフード、健康食品、サプリメント、化粧品には、表示や効能の表現に関わる法規があります。たとえば、景品表示法、薬機法、ペットフード安全法です。伝えたい訴求が使えないと分かるのが完成後では、パッケージの作り直しや販売の遅れにつながります。
規制の内容は商材ごとに異なります。商材ごとの注意点は、次の各ページにまとめています。
損益は「原価」だけでは計算できません
儲かるかどうかを考えるとき、私たちは次の式で整理します。具体的な金額は商材や販路で大きく変わるため、ここでは式だけを示します。
利益 = 売上 −(原価 + 初期費用 + 販売費 + 物流費 + 広告費)
それぞれの中身は次のとおりです。
- 原価: 工場に支払う製造費。原料、容器、充填、加工が含まれます
- 初期費用: 試作、処方開発、パッケージデザイン、型や版など、最初の1回だけかかる費用
- 販売費: モールの手数料、決済手数料、ECの月額費用など、売るたびにかかる費用
- 物流費: 送料、包装資材、倉庫の保管費
- 広告費: 広告出稿、SNS運用、LP制作など、知ってもらうための費用
OEMの見積で示されるのは、この式の「原価」と「初期費用」の一部です。残りの3つは、売り方を決めないと見積もれません。つまり、販売設計が決まっていない段階では、儲かるかどうかを計算できません。
作る前に決める販売設計は4つです
作る前に決めることは4つです。この4つが決まると、商品の仕様と費用の見通しが同時に固まります。
誰に売るか
年齢や性別だけでなく、どんな場面で、どんな悩みを解決するために買うのかまで決めます。ここが決まると、容量、価格帯、パッケージの方向が絞れます。
どこで売るか
自社EC、モール、SNS経由、店舗、卸のどれを主な販路にするかを決めます。販路によって、手数料、送料の負担、必要な商品写真や説明文が変わります。
いくらで売るか
売価は原価から積み上げるのではなく、顧客が払う価格から逆算します。その売価から販売費・物流費・広告費を引き、残りで原価と初期費用を回収できるかを確かめます。
どう継続してもらうか
1回の購入だけでは、広告費を回収しにくい場合があります。定期購入、まとめ買い、関連商品の追加など、2回目以降の購入をどう作るかを先に決めます。継続の設計は、容量や価格の決め方にも影響します。
商材が決まっていない段階や、決めたばかりの段階もあります。その場合は、自社ブランド立ち上げ支援のページをご覧ください。企画から販売設計までの進め方をまとめています。

EC・LP・SNSは商品と同時に設計します
販売設計を決めたら、EC、LP、SNSを商品と並行して作ります。順番に作るのではなく、同時に設計する理由は3つあります。
1つ目は、訴求を統一するためです。パッケージ、LP、SNSの投稿で言っていることが食い違うと、顧客は商品の価値を理解できません。商品の企画段階で決めた訴求を、そのまま販売面に反映します。
2つ目は、発売日に売れる状態を作るためです。商品が納品されてからECやLPを作り始めると、その間は在庫を抱えたまま売上が立ちません。同時に進めれば、納品と同時に販売を始められます。
3つ目は、改善の土台を作るためです。ECとLPを先に設計しておくと、発売後にどこで顧客が離れているかを数字で追えます。数字が取れれば、商品の改良や訴求の見直しを、根拠を持って進められます。
私たちは、UNIDOT ECでEC構築と運用を担っています。UNIDOT CREATIVEでは、LP・SNS・販促物の制作と運用を担っています。OEMで商品を企画する段階から、この2つを窓口一本で設計できることが、企画会社として支援する強みです。
まとめ: 儲かるかは、作る前に決まります
- OEMで儲かるかどうかは、商品の出来ではなく、作る前の販売設計で決まります
- 儲からない典型は、作ってから売り方を考える、原価率だけで判断する、販路が1つしかない、表示・表現で止まる、の4つです
- 損益は原価だけでなく、初期費用・販売費・物流費・広告費を含めて考えます。見積に載る原価だけでは判断できません
- 作る前に、誰に・どこで・いくらで・どう継続してもらうかを決め、EC・LP・SNSを商品と同時に設計します。この2つを守ると、「作ったのに売れない」という状況を避けやすくなります



